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妖狐

仙狐、白狐、天狐、空狐…その他多くの名を冠するこの妖怪は数々の伝承が残っている。

長命で怜悧、人間を欺き陥れるその存在はもはや美しさすら覚える。

本邦のみならず、中国を初め様々な土地でその伝説を耳にすることができる。

『封神演義』に登場する妲己(だっき)や『御伽草子』の玉藻前(たまものまえ)など現在でもその存在は様々な名となり人々の歴史に刻まれている。

また、神的な存在として狐を題材にした民話や童話なども枚挙に暇がない。

一つ言えるのはこの獣がどの時代の、どの世界の人々の心を捉えたのは間違い無いということである。

私たちは、長い時代の中で本当にこの妖怪に化かされ続けているのかもしれない。

今回は夏らしく祭りの最中にその姿を見ることができた。

天空の花火も、もしかすると奴らの見せる狐火で、私たちはそれを美しいと錯覚しているだけなのかもしれない。そして、化かされ続けるのも悪くないと思ってしまうのだろう。

そう思う事すら策略の内。奴らはそういう存在なのだ。

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